5.相続税の税額控除

相続税の税額控除には次のようなものがあり、その控除は次の順序により控除されます。


(1)暦年課税の贈与税額控除

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、その亡くなられた人からその相続開始前3年以内の贈与を受けた財産に課税された贈与税がある場合には、その人の相続税額からその贈与税額を控除します。


(2)配偶者の税額軽減

相続や遺贈によって財産を取得した人が、亡くなった人の配偶者であるときには、次の算式により計算した額をその配偶者の相続税額から控除します。

≪相続税の総額×(次の1又は2のうちいずれか少ない方の金額
÷課税価格の合計額)=配偶者の税額軽減額 ≫
  • 課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を掛けた金額又は1億6千万円のいずれか多い方の金額
  • 配偶者の課税価格(相続税の申告期限までに分割されていない財産の価額を除く)
(注)この税額軽減を受けることにより相続税額が0円となる人であっても、相続税の申告書の提出は
 必要です。また、上記2の分割されていない財産が相続税の申告期限後3年以内に分割された場合
 あるいは、前記3年以内に分割ができない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で分割がされた
 ときには、改めてこの軽減の計算をすることができます。

(3)未成年者控除

相続や遺贈によって財産を取得した人が、満20歳未満の相続人であるときには、その人の相続税額から、その人が20歳に達するまでの年数1年につき6万円を掛けた金額を控除することができます。なお、その年数が1年未満のとき又は1年未満の端数があるときはこれを1年とします。


(4)障害者控除

相続、遺贈や相続時精算課税による贈与により財産を取得した人が日本国内に住所を有する障害者である相続人であるときには、一般障害者にあっては6万円、特別障害者にあっては12万円を、その人が満70歳に達するまでの年数を掛けて計算した金額を控除することができます。

(注)上記3及び4の控除をした場合に、その控除額がその人の相続税額を超えるときには、
 その超える金額をその人の扶養義務者の相続税額から控除することができます。

(5)相次相続控除

今回の相続開始前10年以内に亡くなった人が相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与により財産を取得しており、今回、その人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人(相続人に限ります。)のその相続税額について、10年から前回相続から今回相続までの年数を引き算した年数分のほか一定要件のもとに計算した金額を控除することができます。


(6)外国税額控除

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与により外国にある財産を取得したため、その財産につき外国で相続税に相当する税額が課税されている場合には、その人の相続税額から一定の金額を控除することができます。


(7)相続時精算課税の贈与税額控除

相続時精算課税の適用を受け、その財産について贈与税が課税されていた場合には、その人の相続税額からその贈与税額相当額を控除することができます。この場合に、贈与税額が多くて相続税との差額につき還付を受けるときには、申告書の提出が必要です。


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